3ヶ月弱の試み
こんなことを言っては何だけれど、最近フランス語の学校に通っている。
英語でフランス語の授業を受けるなんて、日本ではなかなかできないだろうと思った。
それとフランス人に知った顔で記憶にある限りのフランス語のフレーズを言ってみると
「どうして今までフランス語で話しかけてくれなかったの?」とよく言われる。
そして決まって「ノンノン、喋れませんのわ〜」と締める。
お陰さまで、物真似が得意である。
だからフランス語を喋る人の物真似が出来るというだけなのだ。
実は「言ってみたかっただけ」なのに
最終的に「喋れない」と敗北を認めて終わる日々から脱却すべく、
近所にあるフランス語学校に行ってみた。
フランス語が飛び交う受付でちびりそうになりながら、
「英語orダイ」と思ってハロウと話しかけたら通じて倒れそうになった。
10週間のコースを申し込んで、テキストが買える「フレンチ・ブックショップ」に行った。
受付のお姉さんに紙に書いてもらったのに、見比べても手にした本のタイトルが
果たして同じかどうかも判断できない(完全にパニック)。
「フランス人にとって挨拶はとても大事。タクシーに乗ってボンジュールと言い忘れたら
『挨拶も出来ないような客はごめんだ。降りてくれ』と言われた人がいたらしい」
というスリル満点の話を聞いたことがあったので、お店のおじさんに
「ボンジュール」ととりあえず言ってみて、構わず英語で(引き続きパニック中)
「ここに書いてあるものが欲しいんですけどコレであっていますか」と聞いた。
「ちょっと待ってね」とおじさんは普通に英語で答え、違う一冊を手にして戻ってきた。
2冊分の値段をレジに打ち込みながら「あそこの学生さん?」と聞かれたので
得意になって「そうです!」と答えると「じゃあ割引しちゃう!」と言ってくれた。
(「じゃあ」と「しちゃう」というニュアンスは今付け足した)
わたしは、紙に書いてあったのが2冊分のタイトルだということにも
全く気付いていなかった。
会計が終わり、お礼を言う時が来た。知った顔をするチャンスだ。
するとおじさんが「ありがとう、さようなら」と先手を打ってきた。フランス語で。
あ、両方知っている!と思いながら「メルシー」を口にした途端、
なかなか上手く言えたせいで気が抜けたのか、思わぬ「バイ!」に繋がった。
ちゃんぽんだ。「
センキュウベリーマシタ」に続く、残念なちゃんぽんだ。
赤面して店を出た。
わたしにはフランス語を喋る友人が、日本や北米も含めて多くいる。
英語の次に多い。無理矢理言ってみれば、わたし界の第2共通語なのである。
世界では英語、中国語の次に使用人口が多いらしいスペイン語よりも
フランス語を話せた方が、友を訪ねて回る際に便利だということだ。いぇい。
だから学校に行っていることを発表しただけで、
多くの友から拍手喝采を浴びた。メルシー、メルシー。
ロンドンにいるイタリア人、スペイン人、ドイツ人からよく言葉を教わったけれど
フランス人だけはわたしに簡易レッスンを施さなかった。ちくしょう。
そしてスペイン語を齧ったことがあるわたしがイタリア語に間違えて混ぜてしまうと
「似てるけど、どちらかを先に勉強した方がいい」と言われたりもした。ちくしょうめ。
つまりスペイン語かイタリア語を勉強すれば、
その次にはイタリア語だかスペイン語だかを学習しない手はない、ということだ。
いきなりゴールが二つというのはちょっとヘビーだぜ。
そしてわたしは大学以来、再びアーベーセーから始めることを選んだ。
母に「最近フランス語の学校に通っています」と報告をしても反応がない。
きっと「フランス語の学校に通う」という文章の意味が分かっていないのだと思う。
「最近」に引っかかっているのでないことを祈りたい。
では失礼します。